まさに英国版「大奥」!? ゴージャスな衣装も必見! 『女王陛下のお気に入り』

『女王陛下のお気に入り』
『女王陛下のお気に入り』
第91回アカデミー賞に最多タイ10ノミネートされたことで熱い視線を浴びている『女王陛下のお気に入り』。18世紀初頭のイングランドの宮廷で繰り広げられる豪華絢爛な歴史絵巻は、英国版「大奥」さながらに、3人の貴婦人たちの愛と陰謀、裏切りが渦巻くディープなドラマだ。

虚弱で気まぐれな女王、アン(オリヴィア・コールマン)は、彼女の幼馴染でしっかり者のレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)に頼りきり。ある日2人の前に、上流階級から没落したサラの従妹アビゲイル(エマ・ストーン)が召使いとして参内し、その魅力がレディ・サラとアン女王を引きつける。

メインキャストはまさに「相手にとって不足なし」と言わんばかりの演技派女優たちだ。主人公のアン女王役は、エミー賞の受賞歴もあるオリヴィア・コールマン。召使のアビゲイル役には、『ラ・ラ・ランド』(2016年)でアカデミー賞主演女優賞を受賞したエマ・ストーン、女王の親友、レディ・サラ役には、『ナイロビの蜂』(2005年)で助演女優賞を受賞したレイチェル・ワイズ。

最初に物語のアドバンテージを握っているのは、女王を自由に操るレディ・サラ。ところが中盤から、貴族への返り咲きを狙うアビゲイルが、ある一手を打つことで、形勢逆転か!?となり、思わず前のめりになって観てしまう。そんななか、常に圧倒的な貫禄で中央にドーンと構える女王・アンのふてぶしさが秀逸だ。女たちの駆け引きに息を呑むドラマは、女子の大好物かも?!

監督は『ロブスター』(2015年)などで知られるギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモスだが、全編を通して彼の美意識が貫かれている。オスカーに輝く衣裳のサンディ・パウエルは、時代に縛られすぎない自由度の高いデザインのドレスを考案。レースや刺繍が丁寧にあしらわれたラグジュアリーなドレスには思わずうっとりさせられる。

美しく洗練されたクラシックなビジュアルが、ドロドロのドラマを一層もり立てていく本作。ちなみにベネチア国際映画祭や、ゴールデングローブ賞、英国インディペンデント映画賞などの賞レースでも、次から次へと賞を勝ち取ってきた本作だけに、オスカーの行方も気になるところ。まずは劇場で、このゴージャスな世界観を堪能して!

『女王陛下のお気に入り』
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト、ジョー・アルウィンほか
2019年2月15日(金)より全国ロードショー
http://www.foxmovies-jp.com/Joouheika/
©2018 Twentieth Century Fox