キスマイ北山宏光が初主演映画でまさかの猫役! しかも感涙映画と話題に

『トラさん~僕が猫になったワケ~』北山宏光、多部未華子、平澤宏々路
『トラさん~僕が猫になったワケ~』
Kis-My-Ft2の北山宏光が、映画初出演にして初主演となる『トラさん~僕が猫になったワケ~』が2月15日(水)より公開となる。猫スーツ姿の北山を見て「完全にコメディだ」と思った。あながち間違ってはいないが、ここで油断すると、あとで大変な目に遭う。大慌てでハンカチを手にすることになるのだ。

原作は、板羽皆の人気コミック「トラさん」。北山が演じるのは、売れないマンガ家の高畑寿々男。ある日、突然、交通事故で死んだ寿々男が、猫の姿になって妻と娘の元に戻ってくる。なんだか猫顔に見えてくる北山と、明るい妻・奈津子役の多部未華子、子役ながらも自然体の表情がすばらしい娘・実優(みゆ)と、まず3人のキャスティングがいい。

もともと寿々男は、漫画家としての代表作が5年前に描いた「ネコマン」だけという一発屋で、しかも連載は中止され、最終回まで行ってないというダメ男だ。しかもギャンブル好きで、死に方もまぬけな感じなので、彼の死後もそこまで悲壮感がない。猫になって戻ってきた時も「もっとしっかりして!」と叱咤激励したくなるキャラクターだ。

寿々男自体も良き父、良き夫であろうと頑張るキャラクターではないし、演じる北山もそこをわかった上で、ナチュラルでフラットな演技を見せていく。だからこそ、観ているほうの目線も緩い。そしてその油断が、後半で一気に反転! 知らず知らずに積み上がっていた家族愛や親子愛などの愛の貯金が満期を迎え、涙のダムが一気に決壊することに。

メガホンをとったのは『Sweet Rain 死神の精度』(2008年公開)で長編映画の監督デビューをした筧昌也監督。「もし、ハリウッドなら猫はCGで完全にコントロールされていたでしょう。ですが、人間の想像力は無限大で、俳優の持つ表現力の豊かさは圧倒的です」と語っているが、大いに納得。

いやあ、完敗です。北山が演じる寿々男が、どこにでもいそうな平々凡々な男だからこそ、観ているほうも心から感情移入してしまう。そして、ささやかなほっこりする大切な人との日常こそ、何よりも尊いのだと、改めて実感させられる。くれぐれもハンカチ必携でどうぞ!

『トラさん~僕が猫になったワケ~』
原作:「トラさん」板羽 皆(集英社マーガレットコミックス刊)
監督:筧昌也
出演:北山宏光、多部未華子、平澤宏々路、飯豊まりえ、富山えり子、要潤、バカリズムほか
2019年2月15日(金)より全国ロードショー
http://torasan-movie.jp/
©板羽皆/集英社・2019「トラさん」製作委員会